受賞した女 / 2008年3月28日

「エレベーターを降りたら左へ行くんだよ。左へいって少し坂を下りて右手に駅がある」
「じゃあ、左手にはなにがあるの?」
「車屋さ」
あたりまえのことのように、あっけらかんと言われた。そうか、右手に駅で左手に車屋なのか、そこへは少し坂を下って行くのか。サクマ式ドロップをなめながらエレベーターに乗った。
エントランスは昔のロシアのように、想像の中で輝いた近未来風の安っぽいハリボテのようだった。置かれている観葉植物さえ古臭く見える。
「車屋ってどっちでしたっけ」
後ろからついてくるサイの仮面をかぶった女が聞いた。
「坂下りて左手でしょ」
「そうでしたっけ。この距離、これであってますか」
「うん、サクマ式ドロップのオレンジ味だからいいんだろ」
駅では特急が待っている。あれに乗って竹藪を抜けて、進級しないといけない。
曇り空だけど暖かい。
西へ向かう猫頭旅団 / 2008年3月26日

「報われないって思うことはさ、なにかあると思ってやってるんだろ?」
「そりゃそうだ。頼まれてからやってるんだから、報酬があってしかるべきだ。報酬がなかったらやろうと思わないだろ。頼まれてもいないことをやって、報いをくれくれと言ってるわけじゃない」
「どうしたらもっと効率良く飛べるんだろう」
「効率良く飛んでいかないと、やがて落ちてしまう。いつまでも低空で飛んでるわけにもいかないな」
「定員が少ないなら少ないなりに効率良く飛び上がる方法もあろうものが、何かにこだわり過ぎているんじゃないか」
「どうだろうか。正解などという明確な解答は無いことだから、手探りで効率が上がったり下がったりするのは許容範囲内ではないか。繰り返すことで見える道もあるはずだ」
「しかし猶予期間はあまりない」
「期限付き故に試行錯誤が難しいのはわかるが、終わりをはっきりと線引きされているということは、進みやすくもある」
「結局のところ均衡の問題に帰結するのだろうか」
「問題の多くは恐らくそこに集中するはずだが、根本的な原因を探り出さないと抜本的な対策はとりようがない」
「現時点では何か見えたのか」
「飛び続ける余力は今しばらくあるというところだろうか」
「飛び続けたら消費し続けるのだから、供給源がいるだろ。その確保はできているのか」
「継続的な供給源は無いが、断続的ならば多少は期待できそうだ」
「その期待が報いになれば、先に進むのだろうか」
「先に進んでもさらに高い山々が我々を待っているのだぞ」
「だからこそ確保できる時にしっかり確保せねばならぬ。消費するだけでは駄目だ。根本的に解決せねば、高く飛ぶことなどはできぬ」
「まぁいいさ。終わりの線引きは既にしてある。そのときまで続けていれば、やがて落ちるとしてもこの旅も楽しかろう」
回転数の違い / 2008年3月24日
ハードディスクのスピードは転送速度とキャッシュと回転数で決まります。デスクトップだとインタフェースに幾つか選択肢がありますので、お金をかけてUltraSCSIにするもよし、酔狂にシリコンディスクにするもよし、無難にRAID0を組むも良しですが、ノートの場合は限られます。
1.8inchは遅過ぎて話にならないので置いといて(VAIO-TZが1.8inchiだった)、2.5inchです、2.5inch。ノートの主流は2.5inch。2.5inchであればserialATAで7200rpmという3.5inchに劣らないハードディスクが出ています。知ってる限りで最大容量は200GB。価格も非常にこなれていて、お求めやすい価格帯です。
なんでハードディスクの速度に拘るのかというと、MacOS
Xに限らずインテリジェンスなOSはswap領域ってのをメモリとは別にハードディスクの空容量から確保します。メモリを4G積んでいても必ずswapをOSが確保して、通常メモリとswapメモリを使い分けてOSや各種アプリが動いて作業をしてくれます。
なのでハードディスクが遅いと、細かいところで少しずつもたついて全体の速度が落ちてCPUは速いけどなんか遅い、みたいなことになります。CPUが随分速くなってメモリも安価になり、ボトルネックがハードディスクの回転数という物理的なところに出てきているわけです。
そういうわけで、速いハードディスクは必須になってきているのですが、いかんせん物理的に磁気円盤がグリグリ回るのですから発熱と消費電力がでかい。MacBookProの15inchで7200rpmのハードディスクを使用した場合、5400rpmのハードディスクを使用した場合と比べて概ね40分近くバッテリの保ちが悪くなるようです。発熱についてはわかりませんけど、相当熱いことでしょう。
この辺の速度的な感じ方は個人差やメインの作業によって差異が大きいと思いますが、1.8inchの4200rpmでハードディスクの回転数って重要なんだなと知ったボクは、2.5inchの7200rpmを使いたいと思います。
iPhone SDK / 2008年3月10日
出ましたSDK。先週末にβ版が公開されてさっそくやってみようと入手したものの、時間が無くて未だに触れていません。これ、潜在的可能性は凄いです。応用範囲が広いので仕掛けをどうするかで楽しさが広がります。日本にはまだiPhoneは来てませんので置いてけぼりですが、日本のシェアなんて小さいものなのでほとんどの開発者は今のところ無視しているようです。そのうちそのうちって感じ。個人でも法人でも、登録すればiTunes
App Storeでアプリの販売ができるので、敷居も低いし決済周りは全部アップルがやってくれるから開発者のモチベーション向上に繋がります。iPod
touchでも動くし。
Objective-Cってのが嬉しいところです。
昔作っていたOS XのアプリがLeopardでも問題なく動いていましたので、公開用のページを作って公開するつもりです。
ちょっと使ってなかったら / 2008年3月7日
近所のラボが無くなってました。ブローニーの現像を即日でやってくれるし、一本四百円くらいで安くて重宝していたのにしばらくブローニー使ってなくて、久しぶりに現像へ持って行ったら無くなっていました。衝撃。
やっぱりじわじわと減っていってるのかな。
徒然に / 2008年3月6日
一つのことに集中して考えると見失います。思考の焦点が合っているところよりもその周辺の方が、少し見通しがよくなります。目も、真ん中の焦点があっているところよりもその周辺の方が光に対して敏感なのだそうです。なので、考えなければならないことを頭の中に詰め込んだら、別のことをします。それでまた元の問題に立ち戻ったら解決する、あるいは別のことをしている最中にふと思いついて解決や完成ということになります。数学の問題のように公式化されている事柄であれば、ひたすら時間を費やして公式を解いていけば解決や完成に至るのですが、明確な正解がなくて抽象化が難しい事柄では、費やした時間が解決への道のりを縮めるということはあまりありません。袋小路へ迷い込むことの方が多くて畢竟、摩耗します。
時間が経って自ずと収斂的に方向性を獲得し、その方向に従って考えがまとまりを持ち出してからはじめて集中力を持って形作っていくのが生きている考えだと感じています。
なにがどうなれば / 2008年3月5日

正しいとか正しくないとかいう基準で考えるのは、きっと正解があるんだと頭で決めつけてしまっているから。正解を求めるのは、学校教育の弊害。明確な正解が無い場合、その回答ど同様の回答が多ければ、それが正解という多数決は似非民主主義の弊害。
批判を恐れることはない。
わからないものへは拒絶や批判から入るのが想像力を必要としない、易しい作業だ。
醗酵 / 2008年3月4日

わりと真面目に仕事してます。身過ぎ世過ぎの仕事は必要です。かといってそれに呑まれて満足しては間違いを犯しますし面白くありません。
一定の距離と時間が作品や思考の醗酵を促して、成熟にいたるはずです。やがて腐るものもあれば、美味しく醗酵するものもあるのです。
そして至る思考のブレイクスルー。
新しいギター / 2008年3月3日
ギターが変わると出る音が変わります。もとい、出す音が変わります。自分以外にはあまりわからないようで、理解してもらいにくいところですが、感触が変わるんです。自ずと作る曲も変わります。カッティングが気持ちいいギターだったら跳ねたリズムが増えますし、響きが美しいギターだったらアルペジオが増えたり開放弦の多いコードを多用したりということになります。だからギターが増えます。一本にできたらどんなにか素敵なんだろうかと思いますが、いっぽんいっぽん違うのでそうもいかないものです。
で、先日新しいギターを買いました。もとい、買ってもらいました。デザインはオーソドックスでなんか小学校とか中学校にありそうなギターギターしたギターでまぁいいとして、全体の音の響きが綺麗で、なおかつカッティングのときの音のキレも良い感じに気持ちいいので、最高です。エレアコとしては初めて新品で買ったものなので、もっと良く鳴ってもらうために弾きまくりです。同じコードで毎日少しでも音を出すことで、響きが安定してきます。何しろ材質が木なので、わりと不安定。それを同じ音で響かせて安定させるわけです。効果があるとかはないとかはわかりませんが、実際に響きが変わるので木だけに気のせいだとしてもそれで気持ちよく弾けるならいいわな、ということで飽きもせず鳴らしてます。
アコライブは四月なので、ステージで使うのは少し先になりますが、それまでにさんざん弾きこんで手に馴染ませてあげたいものです。
楽器はいいなぁ。